2013年10月24日木曜日

「直登ルートデポ品発見」と「北鎌沢左俣の捜索」



各地の山々で初冠雪の便りが届き始めたのは先週のことだ。
冬の到来は秒読みとなった。

10月11日に予定されていたヘリコプター捜索が天候不順もあって延期となり、次の候補日であった10月16日も台風の直撃を受け延期となった。

捜索関係者は落胆を隠せないが、10月11日は風が強く穂高では一機のヘリコプターも飛ぶことはできなかったし、伊豆大島で多くの人命を奪った台風26号の直撃を受けた10月16日はヘリ捜索など論外だった。

とはいえ、10月に入った三週間の間にも中西夫妻や栃木、茨城、千葉、岐阜、奈良など各地から集まったメンバーによる捜索が行われ、少なくともふたつの進展があった。


2013年10月3日木曜日

第三段階へ入りつつある捜索活動


922日に実施された懸垂下降による捜索によって、ともかくも鉄人土橋がアプローチとした東鎌尾根の捜索は一つの区切りをむかえた

捜索の要点を簡単に振り返ってみたい
この要点は今後の捜索活動のメインステージとなる北鎌尾根においても共通するものになるかと思う

1.転落方向の想定
天上沢側と槍沢側のいずれの方向へ落ちるのかを地図上にプロットしていく
この作業を最初に実施しないと、天上沢側に登山道が切り開かれているにもかかわらず、槍沢側を捜索するというようなことが発生する。限られた時間の中で捜索活動を効率的に行うに当たり、まず最初に実施されるべきことがらである

2.発見難易度の評価
転落する方向を想定したら発見難易度という視点で稜線上の各地点の評価を実施し発見難易度の高い地点をマーキングしていく。転落する可能性が高くとも、発見難易度が低い場所は対象外とする 転落後、土橋が自らの力でブッシュの中へ移動するケースは現時点ではあえて考慮しない なぜならば限られた捜索資源下においては一定の絞込みをせざるを得ないからである

3.リファレンスマップの作成
捜索メンバー間で場所情報の共有を図るために基準地図が必要
この地図は国土地理院の地形図を元にし、それぞれの谷にナンバリングを施しておく
ナンバリングと地形図上のコンターラインが示す標高値によって、捜索メンバー間の場所情報の共有化が可能となる