2011年6月19日日曜日

赤岳の描写

先日購入した「八ヶ岳研究」上巻

山口耀久氏による赤岳を形容した文章に感動する。

まずは赤岳西壁概説
「空がみごとに澄みわたった雪晴れの日、その岩稜と岩溝の白いレリーフをあざやかに浮きあがらせて、ひろい樹林帯の上に胸をそらせたこの大きな壁は、盟主・赤岳にふさわしい堂々たる貫禄をしめして登山者たちのこころを奪う」
「胸をそらせた」という言葉は私には思いつかない。

さらに赤岳東壁概説
「県界尾根あるいは真教寺尾根を登る登山者たちは、高度2500メートル付近で長い亜高山帯の森林をぬけきったとき、いきなり眼の前に全容をあらわす赤岳東面の岩場のすばらしさに目をみはらされることだろう。ことにそれが、かがやかしい新雪をまとって純白の冬のよそおいに身をこらしたとき、視野の高所にふり仰ぐこの赤岳東面のみごとな壁は登山者の胸に強烈な感動をよびおこす妖しいまでの美しさを持っている」

今からでも車を走らせ、山へ行きたくなるような衝動を覚える文章だ。

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