2014年6月21日土曜日

レスキュー訓練

 AGS-Jの松元さんに教えてもらったレスキュー技術を咀嚼することを目的として息子とレスキュー訓練を行った
場所は関東周辺の某所
以前からロープワークの訓練に最適だと目をつけていた場所である
地形的に訓練に向いている場所はいたるところにあるが通行人に迷惑を掛けないような場所となると人がめったに通らない山奥ということになる
当日の通行量は車4台、自転車1台、歩行者2名
朝7時30分から訓練を開始
ミュールノットなどレスキューで多用されるロープの結び方をおさらいしてから
・1/3システムによる引き上げ
・カラビナとスリングだけのユマーリング

・ロープの結び目の通過
そして最後に
・空中での宙吊り状態からのカラビナとスリングによるユマーリング
これを繰り返し行って16時10分終了
温泉につかって汗を流し、19時23分に自宅に帰着した

マイクロトラクションや滑車を利用すると非常に効率が良い
錘に使ったザックはザラザラの斜面を引きずり上げられたので、穴があきそうだ
次回からは別の方法を考えよう

水が豊富なので蕎麦をゆでる。
乾麺を540g
茹で上がった蕎麦を冷たい湧き水でしめる
薬味のネギも用意。
「もりそば」にして二人でたいらげた。
背後に見える法面が訓練場所
木陰に椅子とテーブルをセットし、くつろげる場所を確保してのんびり楽しんだ

訓練の最後にオーバーハングで宙吊りになった場面を想定して繰り返し脱出訓練を行った。
ユマーリングのためのアッセンダー類は持っていない設定で、通常の装備つまりカラビナとスリングだけで脱出する訓練である
まずは宙吊り状態を作らねばならない
トップロープで地上から2mほど登り、ビレイヤーがロープを仮固定する
訓練実施者は静かにロープにぶら下がる
そうするとロープのたるみや伸びもあるので地上から1mほどの位置で宙吊り状態となる
もし宙吊り脱出が失敗しても、ビレイヤーが仮固定を解除して、ロワーダウンさせれば着地できる
また脱出に成功しユマーリングで終了点まで達した場合でも同様にロワーダウンができる
数をこなしたい反復練習には最適な手法だと思う
宙吊りになったら、最初にマッシャーをセット。
メインロープが9mmや8mmの場合はきちんと丁寧に巻かないとロックが効きづらい
マッシャーをセットしたらノットをなるべく上部へと押し上げる
次の動作でメインロープのマージンをなるべく大きく取るためだ

 マッシャーに連結したスリングに足を入れる
じゃっかん苦しい体勢だが、なるべく高い位置に足が来るようにする
そうするとメインロープのマージンを大きくとることができ次工程のアルパインクラッチの設定作業が楽になる

 スリングに入れた足で立ち上がり、ビレイループと「マッシャーのカラビナ」をカラビナ1枚で連結する
連結にスリングなどを介在させると、せっかく稼いだメインロープのマージンを無駄に消費してしまう
カラビナをセットしたら足を抜重し完全にハーネスに体重をあずける

 完全にハーネスに体重を預けているので両手は自由に使える
ハーネスに腰掛けたような状態でアルパインクラッチをセットする
前工程でメインロープのマージンを大きくとるための工夫をしているのでアルパインクラッチは楽にセットすることができる
アルパインクラッチは下のメインロープで上のカラビナにループさせる
セットが終わったら再び足で立ち上がりマッシャーから抜重してカラビナをはずし、アルパインクラッチに体重を移す

 これで準備が整った
あとはユマーリングをしていくだけ
アルパインクラッチは操作が楽で、小さなパワーでスピーディーに登高することが可能

 最近流行の軽量カラビナではアルパインクラッチの形が崩れてロープがはずれることが幾度かあった
カラビナのカーブが鋭角でなければアルパインクラッチはできないので、例えばO型やHMS型では不可能
今回の訓練ではマッシャーからバックアップ(セルフビレイ)を取っていないが、このようなことがあるのでマッシャーからのバックアップ(セルフビレイ)は必須だ

 宙吊り脱出訓練は市民に迷惑をかけないのであれば山の中で行う必要性はまったくない
40年ほど前によくやっていた人工登攀の練習と同じで、公園の雲梯や藤棚、あるいは丈夫な横に張り出した枝の下などで行うことが出来る
宙吊り状態を作るためにはアブミか脚立があるといいかもしれない

コツを習得してスイスイ登れるようになった息子
大学山岳部でも、これくらいは訓練しておいた方がよいだろう
本にかかれていることも、実際にやってみると小さな工夫が随所に必要だったりする
こうして親子でアアデモナイ、コウデモナイといろいろと工夫をしていくのは、とても楽しいことだ
温泉で汗を流し、家路についた。渋滞はいっさいなく明るいうちに帰宅できた。
私の自宅のクライミングボードも1988年に設置した第一世代から数えて第五世代目を現在作成中。
ここのところ山へも行かず毎週準備をしてきた。
いよいよ明日には竣工できそうだ。

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