2019年8月25日日曜日

屏風岩合宿終了しました



8月11日から始まった屏風岩合宿は24日に終了して帰宅することができました
台風10号や後半の悪天候の影響を受け雲稜ルートを三回登るにとどまったのは残念
そんな中、偶然幸子さんが撮影した屏風岩の写真の中に私たちの姿が写っていました
8月17日撮影で丸印が私たちです

さて恒例ですが簡単に2週間を振り返ってみたいと思います

11日
母とカトリック西千葉教会のミサに与ってからの出発になったので14時に自宅を出ました 夕方松本市内に入りインターチェンジ近くのスーパーマーケットで買い出し後、沢渡へ進み、いつもの通りアルピコ車庫の軒下をお借りしてビバーク

12日
7時半ころ上高地バスターミナル到着
およそ2週間の日程で、すべての食糧と燃料を担ぎ上げなければならず、約100㎏の運搬が必要です
荷物をまとめているとSさんから電話があり、たった今横尾に到着したとのこと
その後、Sさんに助けを求め、明神まで来てもらいました
クライミングギアのほぼすべてを運んでもらいました
Sさんの助けがなければ横尾への荷上げだけで二日を要することになっていたと思います
途中で福田ガイド、佐藤ガイドとすれちがいました


13日
気温が高く、午前中は直射日光で壁が高温になり熱中症になる危険を感じたので出発を遅くして壁に取り付きました
T4尾根を4ピッチのクライミングで登り、さらに雲稜ルートを5ピッチ登って東壁ルンゼに入ったところで終了し蒼稜ルート側にある懸垂支点へトラバースして懸垂下降開始
4回の懸垂下降でT4に降り立ち、ロープの整理をしていたところで、大滝山方面から豪雨の帯がやってくることに気が付いた まもなく集中豪雨のようなありさまとなりずぶぬれ
横尾のベースキャンプにたどり着いたのは20時過ぎでした
幸子さんは徳沢まで散歩
私が屏風岩へ出かけて留守の間に、山本タケさんが立ち寄ってくれたとのことでした


14日
今日は予備日兼レスト日で15日から16日にかけて北尾根へ行く計画だが、台風10号の直撃は避けられない状況になってきたので、北尾根中止の判断をおこないました
このため、横尾に滞在する理由がなくなったSさんが下山
明日、横尾で合流予定のKさんは16日入山に変更となった
13日の屏風岩下降中の1ルンゼ押し出しで左ひじに小さな擦り傷を負ったようで、痛みが激しくなり、しかも化膿したらしく前腕部が腫れはじめた
幸子さんは蝶ヶ岳往復

15日
衣類を水洗いして横尾大橋のワイヤーに干したけれど、雨模様
強い日差しはなく乾きづらい
前腕部の腫れは上腕部にまで拡大し、左腕の自由がきかなくなり顔を洗うこともできないし、一度横になると起き上がることも自力ではできなくなった
腫れあがった左腕を指で押すと、その跡が残る
台風10号の影響で夜半から激しい雨となった

16日
Kさんが入山してくる予定なので、Kさんの為にタープを張ってウレタンマットを用意しようとしてギックリ腰になってしまった まさに泣きっ面に蜂とはこのことかと思う
そのままテントの中で横になり、唸っていた
14時ころになってKさんが到着したが、テントの中から寝転がって返事をしてごまかした
ギックリ腰で片腕でも雲稜ルートならガイドできないということはないだろうと思いながら就寝した

17日
少し出発を遅らせ6時出発
台風後の増水を心配しましたが横尾谷の渡渉も無事こなし雲稜ルートへ
暑くもなく寒くもなく最高のコンディションで登り始めました
T4尾根の取付きまで下降した時点で日没 横尾帰着は21時過ぎでした
今日は左腕をほとんど使わずに登りましたが不都合は感じませんでした
幸子さんは涸沢を往復し下山途中の横尾岩小舎跡で屏風岩を撮影 偶然Kさんと私が写っていました


18日
Tさんが奥様と三股から蝶ヶ岳を越えて入山し、Kさんが下山
穏やかな一日となり、衣類を水洗いするなどして過ごしたが、左腕の腫れは悪化する一方で、腰も痛い
ありがたい休養日となりました

19日
午後から悪天候になる予報だったのでTさんと早めに出発
順調に進んだが扇岩テラスの上のピッチで雨に捕まり、豪雨の中を東壁ルンゼへとトラバース 壁は一部で滝のようになってしまった
13日のSさんと同じ地点で登攀を終了し土砂降りの雨の中を懸垂下降
1ルンゼは普段は水がないけれど今日は滝のようになっている
幸いだったのは1ルンゼ押し出しの下部では伏流になっており水がなかったことと、横尾谷の増水がさほどでもなかったことだ
早めに横尾に帰り着いたが全身ずぶ濡れでガタガタ震えるほどに寒さを感じた
横尾山荘で日本酒を買い求めて一杯飲んだ
幸子さんは槍沢往復


20日
Tさん夫妻が蝶ヶ岳を越えて三股へと下山
替わりにIさんが入山
Iさんには天候の見通しが悪いので計画自体を中止する連絡をいれていたが、せっかくの休暇を現地で過ごしたいという意向だった
Iさんが真澄の純米大吟醸「山花」持ってきてくれた
夜半に激しい雨が降った

21日
ほぼ終日雨
何もできず


22日
大荒れ情報が出ているので一日早く横尾を撤収することになった
Iさんに手伝ってもらいT4尾根取付きの岩小舎にデポしてあるクライミングギアをとりに行く
梓川は濁流となり横尾谷も激しく増水しており渡渉不可能かと思われたが、流れの弱点を突いて何とか突破
回収したロープやスリングは水をたっぷり吸っており、ずっしりと重い
悪天候で屏風岩の登攀が不可能になった今回の山行はIさんにとってはギアの回収とBCからの荷下ろしだけのものとなってしまった
超巨大ホールバックをIさんに徳沢-明神間で背負ってもらった
それでも一度にすべての荷を下ろすことは不可能なので、40㎏ほどを横尾に残置したままで小梨平へと向かった
Iさんとは明神で別れ、幸子さんと私は小梨平にテントを張って、久しぶりに風呂に入ることができた
小梨平食堂で山賊焼き定食を食べたかったが、食堂に到着したのは17時25分
ラストオーダーは17時20分だったので間に合わなかった
それでも風呂に入れただけで幸せだった
この夜も激しく雨が降った


23日
久しぶりに長期間の合宿となったが残った食料はインスタントラーメン4個と米2合とmont-bellリゾッタ2袋のみ 食糧計画は正しかったようだ
一方でガスカートリッジの消費は衣類の乾燥や暖房用に使用したにもかかわらず想定よりも少なく250g缶が2個余った 一日当たり1/2缶から1/3缶といったところか
朝食にインスタントラーメンを食べて、横尾まで残置装備を回収に行く
往復6時間
行きがけに徳澤園で山菜蕎麦を食べ、帰りがけに幸子さんはハニートースト、私はカレーライスを食べた
徳沢近くで柳瀬ガイド、佐藤ガイドとすれちがった
夕食は小梨平食堂で食べた
幸子さんは山賊焼き、私はとんかつ定食
体重増加を恐れて避けていた「とんかつ」、数年ぶりに美味しくいただいた
風呂に入ってほっとした


24日
最終下山
天候は回復し陽がさしこんでくれるのが嬉しい テントやタープを干すことができた
午前中にパッキングを済ませ二回に分けてバスターミナルへと荷物を運んだ
偶然、私の勤務先の現役時代の同僚数名が小梨平へキャンプにやってきたのに遭遇
松本では軽い昼食を摂ってからカモシカスポーツに立ち寄る
20時半に帰宅できました

来週末には息子も屏風岩へ入るという