2013年6月24日月曜日

雨の上高地、絵描きの渡辺さん、音楽祭

毎週のように休日出勤が続いたが、ようやく区切りがついたので木曜金曜と代休をとって妻と四日間の日程で上高地へと向かった

6月20日
土曜日に山へ行って日曜日は前日使用した山道具のメンテナンスと消耗品や食料品の補給というのが、普通の土日の過ごし方だが、ここのところ日曜日は早朝から深夜まで仕事だったので、山道具の整理がほとんど出来ていない
必要な装備を整え食料を買出し自宅を出発できたのは11時

気になるのは天候
昨日の上高地は豪雨となって昼から上高地線が通行止めになったという
それを物語るように川幅一杯に濁った水が梓川を流れている
今年からアルピコ車庫前と停留場の名称が変更になった沢渡上の駐車場に車をとめ、16時7分のバスで上高地へと向かった

梅雨時のウィークデイ
閑散とした河童橋前の広場を突っ切って小梨平へと入っていく
先月のゴールウィーク時には冬木立だった小梨平のカラマツ林はすでに鬱蒼と緑の葉を茂らせている

小梨平に張ってあるテントは絵かきのおっちゃんだけで、自由にサイトを選ぶことが出来る
小川のほとりにあるいくつかのサイトには砂が堆積しており、昨日の雨で水をかぶったようだ
増水の心配がない場所を選んで設営
気象情報をチェックしてみると、明日は雨模様のようである


6月21日
夜明け前に目覚め野鳥の声をききながら湯をわかしお茶をのむ
雨はまだ降り始めていないが、やがて降りだすだろう
本来の計画では明神岳Ⅴ峰を往復するつもりだったがあきらめた

贅沢な朝食を摂ってからのんびりしていると「絵かきのおっちゃん」がやってきて
「朝食がまだなら秋刀魚を焼くから食べないか」という
おちゃんと話をするのは初めてだが、話を聞いていて銚子の島田さんと同じなまりである。おそらく千葉か茨城の利根川流域の人だと思ったが、案の定銚子の人だった
人懐こいところも島田さんにそっくりで、まるで10年来20年来の友人のようにも感じられる
絵描きのおっちゃんの名前は渡辺さん
銚子の飯沼の出身だが、現在は銚子市に隣接する旭市に住んでいるとのこと
渡辺さんの日記帳のようなノートを数冊お借りして、拝読させていただく
渡辺さんの絵はペインティングナイフで描かれているので、好みがわかれるかもしれないが、見慣れてくると、なかなか味が感じられるものだ
どの絵も穂高を描いたものばかりで、ごく稀に焼岳が含まれる

雨を承知で岳沢まで散策することにして出発する
上高地から岳沢への登山道へ足を踏み入れると、針葉樹のテレピン油のような香りが森一杯に満ちていた
妻とゆっくり歩いていく
1690m地点で明神主稜への踏み跡を確認し、風穴を通過
やがて上高地からも良く見えるガレ場に到着
河童橋が良く見える
腰をおろして湯を沸かしお茶を飲む
しばらくして雨が降り出した
石段のように整備された登山道を登っていくとところどころで雪の上を歩かされる
最後の雪渓を登りきって岳沢小屋に到着した
岳沢小屋は静まり返り、雨音だけが激しい
雨具を着こんで傘をさし、一目散に下った

雨脚はかなり激しく水面が泡立つほどである


テントに戻ってみるとあたり一面池のようになっている
排水路をつくってみるが降雨量が多すぎて間に合わない
明日は第29回上高地音楽祭があるとかで、この雨の中を準備している人たちがいる


6月22日
雨は降っていないが、穂高は雲に覆われている
午前中、明神まで散策に行ったところ、雨に降られた
雨具を着て小梨平へ戻ってみると渡辺真知子が音楽祭のリハーサルをしていた
音楽祭の会場とテントサイトは距離的にとても近い
一瞬雨がやんだので、雨が降ったら池状態になることもあってテントを移動する

上高地音楽祭は1992年に一度遭遇したことがある
出演はボニージャックスで、それは楽しい音楽祭だった
我が家の子供たちもステージに招かれボニージャックスと一緒に歌ったり踊ったりした
当時はまだ上高地まで一般車両が入れた時代だった

13時に第29回上高地音楽祭が始まった
私でも良く知っている渡辺真知子のヒット曲が流れる
迷い道、カモメが飛んだ日、ブルー、唇よ熱く君を語れなど

夕食後我が家のテントに渡辺さんがやってきて楽しく談笑する
別のノートには斉藤健志さんの名刺などもはってあり頬が緩む


6月23日
ようやく晴れた
とはいえ雲も多い
撤収日に雨ではないというのはありがたいことだ
びっしょり濡れたテントとタープを干す
そしてテーブルの上でサラダを食す


渡辺さん、夏になったらまたお会いしましょうと挨拶をして上高地を離れた
梅雨時だけあってあいにく雨が続き山には登れなかったが、楽しく静かな上高地を堪能することができた


2 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

賀来さんこんばんは、久保田です。

雨が降っても十分に楽しまれている様子が分かります。
私は6月は一度も山に行くことはできませんでしたが、賀来さんの
レポートを読ませていただいてなんだか6月の上高地に行ったような気分になりました。
あの絵描きさんは渡辺さんとおっしゃるのですね。

7月も異動やら初孫誕生(予定)でなにかと忙しくなりそうで山行はできそうもありませんが、夏山の計画でも立てて過ごそうかと思っております。

Motoaki Kaku さんのコメント...

久保田さん

おはようございます

初孫!ですか
それは楽しみなことです
小さな子供の可愛らしさは、それはもう格別なものがありますけれど、それが自らの孫となればいっそうでしょうね

昨日は良い天気でしたけれど
妻が仕事で山へ行けないということで、それではということで出勤して仕事をしていました
夜帰宅すると山岳部の日帰り山行から戻ったばかりの息子がリビングに
以前から約束していた息子向けのクライミング基礎講習を行うことになり、山岳部の監督さんに許可をとってもらいました
それで、今日はこれから丹沢のモミソ沢出合の懸垂岩へ行こうと思っています

それではまた