2022年6月3日金曜日

残雪の北穂高レポート


まるで事前のシナリオがあったかのようなドラマチックな山行でした

この山行は都岳連プロガイド養成委員会主催のハイマウンテンスクールの春山編として企画したもので、三か月間にわたるトレーニングを経て迎えた最終ゴール「残雪の北穂高」へ向かう計画です

まず、苦戦したのがガイドの確保でした
この季節の登下降は北穂沢になります
素直ガイドがヘッドコーチをしている日大山岳部員は北穂沢を走るようにして30分で涸沢迄下降するといいますが、一般的な登山者を引率する場合はショートロープでガイドレシオ3以下が無難でしょう
参加者は8名ですから素直ガイドと私の2名しかいませんのでもう一人必要です
心当たりのあるガイドに個別に打診しましたがNG
困り果てて都岳連ガイド向けの一斉同報用メーリングリストで「ヘルプ!」を送信したのが5月20日深夜でした 翌5月21日は小川山でガイド審査でしたから4時前に自宅を出発し双葉SAを過ぎる頃に青森にいる西川敏正ガイドから「お手伝い出来ますよ」との返信が入りました 安堵しました 首の皮一枚でつながった・・・という感じでした

5月26日
素直ガイドの運転で沢渡へ向かいました
集合場所は沢渡の宿 すでに西川さんは到着していてくつろいでいました

5月27日
タクシーで上高地へ入りましたが、土砂降りの雨
午後から雨は止む予測ですが、それにしても猛烈な雨です
「本当に、こんな土砂降りの中を出発するんですか?」
と私自身が自問自答したくなるような天候ですが、雨対策の完全武装をして7時に歩き始めました
予測通り、徳澤にたどり着くころには雨もやみ、青空が広がり始めました
本谷橋からはほぼ夏道をたどり、途中でクランポンを装着して涸沢ヒュッテに入りました
どこからどこまでどのようなビレイシステムを想定しておくのかということは計画段階で組み込まれていますが、あらためて現場の状態を見て、ガイド3人で明日のラインどりとビレイシステムのデザインを再確認しました
夜中になって風が強くなり、雨が小屋をたたきつけています
深夜に外へ出てみるとみぞれを伴った強風でした


5月28日
涸沢ヒュッテは強風の朝を迎えました
穂高は灰色の雲に覆われて全く見えません
西北西の風なので涸沢に直接風が吹き込んでいるわけではありませんが標高3100m付近の予測風速を見ると風速20mとありますし、少なくとも視界が効かないと途中までも登れません
8時頃になってガスが少しづつ上がり始めました
判断地点をインゼル下の台地とし退却時刻14時と決めて9時に出発しました
晴れ間も広がり風も弱くなり始めました
トレースのない北穂沢に私たちがキックステップでトレースをつけながら登っていきます
インゼルは喉に亀裂が入りかけていることもあり右側を迂回しました
稜線に出てみると風も弱くなっており山頂で短い休憩をとって記念撮影をして即座に下降開始
あまりの急斜面に腰が引けてしまってスリップする参加者を素直ガイドがショートロープで止めるというシーンが数回ありました
2クール目の夕食前に涸沢ヒュッテに帰りつきましたが、参加者全員が幸福感に満たされた笑顔でした
そして夜は満天の星空・・・




5月29日
快晴の朝 モルゲンロート
5時半朝食
徳澤園でお決まりのソフトクリーム♪
ニリンソウが満開
ズミの花も咲き始めていました
河童橋で解散

お疲れさまでした


1日目出発時点では土砂降りの雨 徳澤で雨がやみ、その後は青空
本谷橋からほぼ夏道をたどりましたが急斜面のトラバースあり
上高地バスターミナル6時半集合
7:00    バスターミナル出発
7:06    河童橋通過
7:59    明神館 8:16
9:18    徳澤園 9:35
10:40    横尾 11:20
12:45    本谷橋 13:05
16:03    涸沢ヒュッテ
17:00    夕食
2日目朝6時の次点で標高3100mの風速が20mの為出発を2時間遅らせました
5:30 朝食
9:10 涸沢ヒュッテ出発
11:20 2700m台地 11:40
14:00 北穂高岳 14:20
16:00 2700m台地 16:10
17:18 涸沢ヒュッテ
17:50 夕食
3日目快晴 涸沢ヒュッテと本谷橋の間はほぼ夏道通り、一部に急斜面トラバースあり
5:00    朝食
6:34    涸沢ヒュッテ出発
7:55    本谷橋 8:10
9:14    横尾 9:30
10:27    徳澤園 10:50
11:44    明神館 12:00
12:48    河童橋
13:00    河童橋にて解散

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