2021年11月21日日曜日

雨山峠越えから檜洞

檜洞1040m地点の多段滝は最上段でスタカットによるビレイが必要

この土日は雨山峠越えで檜洞へ行ってきました

沢底から10mほどの高さにある河岸段丘にタープを張り、暖かい夕食後はほんのちょっと「キリンウィスキー陸」を口に含みました
やがてとっぷりと日が暮れて鹿の鳴き声が谷に響いています
夜中にふと目を覚ますと満月がタープを照らしていました
それは月光がタープに映しだした木々の影でした
まさに私たちのガイドテーマの一つである「Midnight Ledge」そのもの
幸せな二日間を過ごしました
今シーズンのわらじ納めのつもりでしたが、よく考えてみると房総の山は真冬が沢登りシーズンだということに気がつきました

以下詳細です

11月20日 晴れ
8時50分 新松田集合 小田急の新松田からタクシーで寄大橋へと向かった タクシー料金は4,430円
9時半に寄大橋を出発 ところどころで崩落個所があったけれど「道のない山登り」ばかりをしている私たちにとって通過に問題はない
12時に雨山峠到着

雨山橋で玄倉林道に降り立つと「玄倉林道は11月16日まで通行止め」といつもの通りのんびりとした看板が設置されている このような看板の記述に幾度だまされたことかと思う 帰宅してから神奈川県のホームページで玄倉林道の通行止め解除が来年度末との記述があったけれども、これもあてにはならない さんざんだまされ続けてきたのだから・・・
雨山橋からユーシンロッジまでの林道には大きな崩落箇所があり青崩れ隧道周辺の補修が終わっただけでは通行止めは解除できないと思う

13時にユーシンロッジ到着 以前は電気も水道も使えていたが、今はそれも停止されていた

檜洞の核心部はユーシンの給水施設から入渓点までの数百メートルのトラバースだということは素直ガイドとも見解は一致するところでロープのフィックス用支点も良いものがない
細い経路は年々状態が悪くなっており、参加者もそれなりの経験者でないとガイドができないような状態になりつつある
いったん入渓してしまえば滝の通過がメインになるのでロープによるビレイが可能となり、安全性を確保できるようになる

16時 ザンザ洞の出合の手前の左岸に良いビバークサイトがあったので、ここでザックを降ろす
沢底から10m近い高さを持った河岸段丘上に広場があって快適なビバークサイトを提供してくれていた
タープを張って、焚火で夕食づくり
全て自家製の乾燥食材で、羽根のように軽いので要注意
1kgの野菜や肉がたった50gになっているので、ついつい入れすぎてしまう
メニューはとん汁と白飯
環境の良いオートキャンプ場の炊事場などでは重宝する固形燃料による炊飯だが、これを試してみたが失敗だった 微風でも熱が逃げてしまい、30gの固形燃料では結局沸騰することはなかった この為、非常用に持参していた中華製の30g超軽量ガスバーナーで再調理することになった しかも中華製のこのバーナー 500㏄程度の湯を沸かす程度なら問題ないが炊飯の為に蓋の上に石をのせるなどの作業を行うとバーナーの五徳が歪んでしまう
結局、それなりのバーナーを持っていく必要があるということを知らされた
#3ハーフとシュラフカバーを使用したが少々寒かった 湯たんぽをしたくすればよかったかもしれない
鹿の鳴き声が聞こえて月が街灯のように私たちのタープを照らしている ヘッドランプなしでも野外を歩けるほど
まさにミッドナイトレッジだとしばらくうっとりとしながら見ていた

11月21日 曇り
6時半に起床し、朝食
焚火を使うと火の後始末がやっかいなのでバーナーで調理
これまた中華製バーナーなので鍋が安定せず苦労したし、湯を沸かすまでの時間も20分を要した 中華製のバーナーは超軽量だけれどあくまでも緊急用なので本格的な調理が必要だった今回は大失敗の選択だった
昨夜使用した焚火あとを入念に再チェック 残り火がくすぶっている可能性があるからだ
8時に出発
まもなく多段で構成された一番大きな滝をロープでビレイして通過 そのすぐ上にインゼルがあって、そして以前利用したことのあるビバークサイトが左にある ここには湧き水があるので環境としては最高かもしれない
やがて谷はゴルジュ状となって細かく蛇行し、下駄小屋沢が左から流れ込んですぐに理想のようなビバークサイト ここでは数回ビバークさせてもらったことがある
平らで広く申し分のないサイトだと思う
ここの対岸に金山沢が流入している だいぶ前に幸子さんと日帰り遡行した際に利用した沢だが、それ以降は使っていない その後使い始めたのは経角沢で、地形図を見ているともっとも短時間で登山道に合流できそうだったので、最近はもっぱら経角沢にしている
今回も経角沢経由で同角山稜の登山道に出てつつじ新道を下降した

14:40のバスに乗車し、新松田発16:08の新宿行きへ乗車することができた
鶴巻温泉あたりまで来た時に雨が降り始めていることに気がついた
四街道は雨模様で到着は19時だった

ここが雨山峠

水道も電気も止められたユーシンロッジ

ビバークサイトでの調理
使用している焚き火用コッフェルは2005年5月に購入したもの
そろそろ寿命かもしれない

タープ泊

焚火を囲みながら暖をとる

つつじ新道の紅葉1

つつじ新道の紅葉2

つつじ新道の紅葉3

つつじ新道の紅葉4

つつじ新道の紅葉5

つつじ新道の紅葉6

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