2022年7月18日月曜日

“天狗山ダイレクト”と“野猿返し”


今年度は週五日のフルタイム勤務を断わり切れなかった幸子さん
なので、休みは土日祝日しかありません
一方、私のガイドとしての仕事は主に土日祝日に行われます その上、都岳連のプロガイド養成委員会の実技も土日祝日に計画されています
そのような事情で幸子さんと山へ行く機会は激減しました

ところが海の日の三連休がぽっかりと空いたのです
それで幸子さんと一緒に素直ガイドと家族3人で小川山廻り目平へ行って来ました
廻り目平は1983年から通い続けている場所で、我が家の子供たちは「私たちのふるさと」と言ってはばからないほどです
それはナナーズが開業するずっと以前のことで、川上村での食料調達は秋山郷にある「スーパーやまなか」だった時代です
今回も長女や次女から「廻り目平へ行くなんて、いいなぁ~」とのメッセージが届きました
いずれ孫たちと廻り目平へ行きたいものです

今回の計画は目的がはっきりしていました
それは

素直ガイドと私としては最近評判のマルチルートがガイド対象として好適かどうかを評価する為にクライアント役として幸子さんに登ってもらうというものでした

1日目
6時過ぎに自宅を出発し、双葉SAのスマートICからクライマーの獣道経由で廻り目平到着11時30分 山は灰色の雲に覆われているけれど雨は降っていません
初日に一本かたずけておきたかったのですが雨雲レーダーはまもなく雨が降り出すことを教えてくれていました ベースキャンプはムーンライト7型にタープという組み合わせ 設営が終わってから雨が降り出しました 今日のクライミングはあきらめて「ヘルシーパークかわかみ」で入浴し、ナナーズで食材調達をしてテントに戻りました
ヘルシーパークの受付には33年前子供達と通っていた頃に廻り目平金峰山荘にいた「おにいちゃん」がいました あくまでも推測ですが川上村役場をすでに定年退職しているのかもしれません
テントに戻る前に「野猿返し」の林道をチェックしておきました
分岐点からちょうど2㎞でした 上り坂なのでザックを背負って歩くとなれば40分はかかるでしょう

2日目
朝方まで雨は降り続きました
やがて陽射しが見え始めたので「天狗山ダイレクト」へ向かいました
一番楽なアプローチは馬越峠を起点とするものです
馬越峠には車が4台止められるスペースがありました
馬越峠は川上村と南相木村をつなぐ県道で、2~30年前に一度だけこの峠を使って南相木村まで遊びに行ったことがあります
馬越峠は何と読むのでしょうか?Wikipediaによると次の読み方があるようです
  • まごせとうげ
  • まごしとうげ
  • まごえとうげ
この中で今回の馬越峠は「まごえとうげ」と読むと記載されていました
1612mの馬越峠から天狗岳に向かって主稜線を歩きはじめると岩質がチャートであることがわかります
小川山特有の花崗岩ではないことにがっかりしました
チャートはカチホールドが豊富である一方、フリクションが効かず、少しの水分があるだけでツルツルと滑ります
ルート自体も岩が脆く、大小さまざまなホールドがグラグラと浮いています
天狗山ダイレクトは名前はかっこいいですが、クライミングルートとしてはハズレでした
汗びっしょりになったので、そのまま「ヘルシーパークかわかみ」へ直行
幸子さんは着替えのシャツを車に積んでいないというので、私のDolomiteの黒い半袖ポロシャツを幸子さんへ貸して、私はPatagoniaのフーディーを着ることになりました
ナナーズで牛カルビを購入し、それを夕食で焼いて食べました
カラファテには北平さんはいませんでした

3日目
朝から天気が良くクライミング日和となりました
今日は「野猿返し」の予定です
8時過ぎに廻り目平を出発し、取付き点へと向かう林道の駐車スペースに到着しました
ここから堰堤下で東股を渡り、対岸のゆるい斜面を登ると「野猿返し」の取付き点に到着しました 駐車スペースから5分でした
ヨセミテやヨーロッパアルプスのトポの記述はとても正確ですが、日本の各種ガイドブックに記載されている説明はとてもいい加減です
今回参考にした資料は白山書房の「マルチピッチスーパーガイド」という本ですが、ひどいものです
この本では
林道分岐点から駐車スペースまで徒歩20分と記載されていますが、実際には2㎞の上り坂ですから40分はかかるでしょう
駐車スペースから取付き点までも20分と記載されていますが、実際は5分でした
「野猿返し」自体は良好でした
小川山特有の花崗岩のフリクションを感じながら登るという烏帽子左稜線を短くしたような構成でした
9時30分にクライミングを開始し、11時半前に終了点到着
およそ2時間という短いものでした
しいて言えば難点が二つ
1.ロープの流れが悪いのでトポの区切りにこだわらない方がよいでしょう
2.最終3ピッチは登攀距離を水増しするだけの意味しかないので5.7のピッチの終了点から懸垂下降ができればもっと良かったでしょう
12時前に駐車スペースに戻り、12時過ぎから廻り目平のベースキャンプの撤収作業
帰宅してから食器などを洗わないで済むように廻り目平ですべてを完了させました
コッフェル、フライパン、ペグなども含めてすべてきれいに洗いました
13時15分にすべての撤収が完了し、廻り目平を後にしました
小仏トンネルに15時前までにたどり着ければと思っていましたが、長坂ICで中央道へ入ってびっくり仰天 11時半頃に笹子トンネルで5重衝突事故があり超渋滞との案内がありました
柳沢峠経由にしようかなどとも思いましたが、過去柳沢峠の苦労の記憶がよみがえり、思いとどまりました 一宮御坂ICの手前から渋滞が始まってノロノロどころか車が停車して動く気配もありません 仕方がないので一宮御坂ICで中央道を降りて20号に入りましたが、こちらも同様でした このまま渋滞の中にいるのはバカげているので勝沼の「天空の湯」で汗を流して時間調整をしました
おかげさまで23時前に帰宅することができました









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