「岩と雪」時代には編集後記に至るまでなめるようにして毎号5回も10回も繰り返し読み、その内容をほぼ暗記するほどだった
で、それをネタにして岩場の下で何時間もクライマー同士で尽きぬおしゃべりをする・・・。そんな時代だった。
現在はそれほどではないにしろ、いつも楽しみにしているRock&Snow
9月発売の57号の編集後記を読んで感動した
編集後記を読んで感動するとは私のアタマは少しばかり変態気味なのかもしれないが・・・
編集後記には
池田常道氏による数行の文章 「パトリック・ギャバルーを覚えていますか?」とある
最初「?」と思ったが「パトリック・ガバルー」のことだとすぐに気がついた
今年61歳になるガバルーは、今夏モンブランのイタリア側に二つの新ルートを拓き、その内のフレネイのグランクーロワールの一本に対して「さらばボナッティ」と名づけたという
ガバルーは1970年代後半に活躍したフランスのクライマー
私が1979年の夏に買ったメタルシャフトのピッケルはシャルレの「モデル:ガバルー」
我が家には20本近くのピッケルが転がっているが、「ガバルー」は30年以上に渡って使い続けているお気に入りの一本。アイスクライミング以外はほとんどこの一本で済ます。昨年のヨーロッパでもこのピッケルを使用した
その61歳になるパトリック・ガバルーが、今年亡くなったボナッティの名を冠したルートを拓いたという
この編集後記は「おまえにも必ずできる」と語りかけているかのように私には感じられ、心が熱くなったのだ
それから内輪ネタで恐縮だがRock&Snow57号には「石渡健」君の対談が載っている
ヨセミテのキャンプ4にある世界で最も有名なボルダープロブレムのひとつ「ミッドナイトライトニング」を登ったときのいきさつや、「見張り塔からずっと5.14a/b」「シュピネーター5.14a」などの印象などが語られている
「ミッドナイトライトニング」の名を聞いて伝説のフリークライマー「ジョン・バーカー」を思い出し、顔がゆがむほどの激しい動揺を抑えきれないクライマーは私だけではないだろう
そして健君の登攀履歴には私と登った奥鐘山西壁OCCルートを「賀来素明さんに連れられて」と付記してくれている
健君ありがとう