檜洞は学生の頃に砂田とザンザ洞を遡行して同角沢を下降するという山行のアプローチとして通過したことがあるが、そのときの印象は「退屈なアプローチ」というもの。
若かったから「渓谷には渓谷美というものがある」ということを理解していなかったのだろう。
あれから砂田や岩崎と海外の岩壁も登り、頂に立ち、氷河も歩き、国内でもたくさんの壁や渓谷を登った
そのような経験を経てふたたび訪れた檜洞
明るく開けた谷に白い巨岩が積み重なっている渓相は、北アルプスの渓谷のようだ。だれかに檜洞の写真を見せられて「打込谷だ」といわれたら信じてしまうかもしれない。
今回は日帰り。檜洞丸の山頂から同角山稜を使って下山しても良かったが、ツツジ新道経由で西丹沢自然教室へ下降する計画を考えた。
車にモンキーを積んで、玄倉ゲートで妻をおろし、自然教室に車をデポして、モンキーで玄倉ゲートまで戻るという作戦。
アプローチで谷へ下りるまで左岸の径路を歩くが、この径路が二箇所崩壊しており、迂回するのに汗をかいた。
谷はおおむね巨岩帯とナメで構成されており、左右が開けて開放的で明るい。金山沢出合付近には河岸段丘が発達しており、ビバーク適地がある。
秋の深まった頃に、金山沢出合あたりでビバークしたら最高の週末になるだろう。
つめは金山沢を使って金山乗越の少し檜洞丸よりの稜線に出た。金山沢の出合から稜線までは標高差も140mしかなく、谷の傾斜もゆるいのでとても楽だった。
シロヨメナの白い花が一面に咲き乱れていた。
※日大山岳部の秋山合宿
今日10時43分に南アルプスの間ノ岳の山頂にいる息子からメールがあった。明日下山するとのこと。