2017年6月28日水曜日

岩の聖堂に登る


ブルーノ教官は8時に迎えに来てくれることになっていたが、どこへ行くかは未定だった
8時にやってきて「今日はシャペル・ド・ラ・グリエールへ行こう」という
先週23日金曜日にクロシュ針峰を登った際に確認していた針峰で、山頂部がちょうど教会の聖堂のような形をしており、鐘楼部分がピークになっている
また隣には人気ルートの一つであるランデックス針峰がある
ブルーノ教官は「嵐がやってくるから、その前に登り切りたい 急いで支度をしてくれ」と私たちをせかす
アックスもクランポンも不要だという
なかなか天気も良く、すぐに天候が悪化するようには感じられないが、ブルーノがいうのだから本当なのだろう
プラからフレジェールまでロープウェイで上がり、さらに6人乗りの大型リフトを乗り継いだ

終点からブレバン方向へ少し下り気味にトラーバスしてランデックス針峰のすそ野を回り込むようにして高度を上げ、シャペル・ド・ラ・グリエールの取付き点に達した
ここまで雪はなく、美しい高山植物が咲き乱れていた
いつもの通りブルーノ教官だけがバードブーツで私と山本ガイドはクライミングシューズ
だが、私のクライミングシューズは普段印西で使用しているタイトな38.1/2なので痛くて仕方がない ブルーノの許可を得てアプローチに利用したアディダスのトレッキングシューズに履き替えた
Ⅳ級からⅣ級+程度のピッチが続き、岩も固い好ルートで、これをガイドトレーニングとして登っていく
あくまでもガイドトレーニングなのでビレイステーションでのやり取りや、ちょっとしたクライアントへの対応方法などが次々と実演されていく
だんだん雲行きが怪しくなってきた
モンブランはすでにストームの中にあり、グランドジョラスも同様だ
隣のランデックス針峰にはたくさんのクライマーが取り付いているが、私たちのルートには私たち以外は誰もいない
そうこうしているうちに山頂が近づいてきた
まず聖堂の屋根へ登る そしてそこから鐘楼へ更に登る
レビュファの特選100コースでは全15ピッチで最高ピッチグレードⅣ+と記述されているが日本の感覚で言うとⅤ-くらいのピッチが二三箇所あった
鐘楼のてっぺんに到着したのは12時半前 登攀開始から3時間が経過していた
いつものように岩の突起にデュフォーをセットして20mの懸垂下降
急げ!嵐が来るぞ
北鎌尾根のような下降路を大急ぎで下っていると雹がたたきつけ始め、雷鳴がとどろく
ブルーノ教官の「どんどん行け!」の声に真剣モードで
走るようにして下って行く
やがてリフトの終点に到着 雨は止んだが寒い 登攀中に嵐に捕まらなかったのでラッキーだった
14時前にUCPAに帰り着いたが、研修中はランチを摂る時間もなかった
そこで庭のベンチで遅い昼食を摂ることになった
山本ガイドが暖かいスープを飲みたいというので近くのスポーツショップまで行ってガスカートリッジを買い、湯を沸かしてオニオンスープを作った
山本ガイドは結局スープはいらないということで飲まなかった
モンブラン山群は完全に悪天のサイクルに入っており毎日ストームに襲われるような状態が続いている