2017年6月30日金曜日

最終日はイタリアでスポーツクライミング


相変わらずモンブラン山群の悪天候サイクルは続いている
当初の予定ではイタリア側のアントレーブに近いロングルートが計画されていた
出発時点ではてっきりアントレーブへ行くと思っていたがモンブラントンネルを通過してもブルーノ教官の車は時速120kmでそのまま直進していく
どうやらイタリア側とはいえモンブラン山群から相当離れないと天候は芳しいものではないらしい
クールマイユールを過ぎてアオスタの谷を下ること数十キロ
小さな田舎町に到着した
周辺は岩場だらけ

街の小さなカフェでカプチーノを飲みながら打ち合わせをした
トポをみながら検討した結果、マカビーという岩場の9ピッチのルートを登ることになった
現場に行ってみるとマカビーの岩場は山頂付近に小さな村があって、そこに古城があるというロマンチックな説明がブルーノ教官からあった
岩場自体は標高差250mから300mほどの一枚岩で屏風岩下部岩壁や城山南壁をスケールアップしたような感じである
ルートは完全なスポーツクライミングルートになっており、子持山獅子岩を3ランクほど難しくしたような内容で登りごたえがあった
取り付き点で支度をしていると別パーティーがやってきた
ブルーノ教官と同じくENSAの教官だと紹介された そこそこ年配の様にも見えるが少なくとも私よりもかなり若いようだ
ブルーノ教官は短パン一つの裸で登り始めた
スラブのクライミングが主体のルートだがフリクションがとてもよくクライミングシューズの靴底のゴムが岩に吸い付くようで快適だ
だが半分あたりまで登ったところで雲行きが怪しくなってきた
最後の2ピッチは走るようにして登り、なんとか雨にたたかれる前に山頂に達することができた
山頂から山道を少し下るとお目当ての小さな村「マカビー」の村の屋根を見下ろせた
花が咲く素敵な村で確かに古風な石造りの建築物がある
荒れ果てた古城を修復しボナッティなどに関わる資料などが展示されていた
クライミングをしなくてもここを訪れることはかなりお薦めだと思う
13時半頃に車に帰着
雨が降るかもしれないということでランチもとらずに一目散に下山してきたが、ここで一安心ということになりのんびりランチとなった
これで二週間に及ぶENSA研修の全スケジュールが終了した
61歳にもなって年甲斐もなくセンチメンタルな気分に浸るのを許してもらいたい
アオスタの谷を再び遡りクールマイユールを過ぎてモンブラントンネルへ入ってシャモニの谷へ向かう
ついにUCPAに到着した
別れ際にブルーノ教官が私を「ストロング」と褒めてくれた
正直なところ嬉しかった
固い握手をして再会を約束し別れた
ブルーノ教官の車が見えなくなるまで見送った

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