2023年6月23日金曜日

トランシーバの調達で思うビギナーの苦労


都岳連の中で実技講習が多いのは安全登山教室です
プロガイド養成委員会の委員10名の内、6名は安全登山教室の講師の兼務者で主に教室のハイエンドを担っています その中に素直ガイドも含まれています
その安全登山教室がトランシーバの更新を行ったので、それに合わせて機種をそろえておくメリットを考慮し、私と素直ガイドの個人用トランシーバも更新しました
調達したのは八重洲無線機のデジタル簡易トランシーバSR730 総務省への登録と電波使用料が必要ですがアマチュア無線免許は不要です 出力は最大5W

取扱説明書を開くとB6判の小さなページに細かい説明書きがびっしりと記述されています
これを短時間で自分の知識として取り込むのは容易ではありません

一方でクライミングギアの取扱説明書を読むのはまったく苦になりません
取扱説明書のベースとなる知識と経験があるので、著者が何を意図して説明しているのかがわかるからです
これは海外に行っても同じで言語が異なっていてもクライマー相互にベースとなる知識と経験が共通しているので壁の中で意思疎通に不自由を感じたことはほとんどありません
ENSAでのガイド研修も同様でブルーノ教官とはアイコンタクトで何を言いたいのかが理解できました

プロガイド養成委員会で昨年9月に作成したTMFガイド養成マニュアル(非売品)はA4判180ページに及びますが、特別なことを記述したつもりはなく、当たり前のことを淡々と理屈を中心として説明しています
このガイド養成マニュアルには生死に直結する常識的な項目が羅列されているだけですから、「ガイド養成マニュアルの内容が理解できない」ということ自体が「理解できない」と私は思っていました

さて、デジタル無線機の取扱説明書
私が理解に苦労しているのと同じように「TMFガイド養成マニュアル」は、受講者にとっては「私のデジタル無線機の取扱説明書」と同じなのかもしれません

死に直轄する「禁じ手」を連発するガイド志願者に対して
「“ガイド養成マニュアル”で解説されているのに何故そのようなやり方をしたのかを説明してください」
「そのようなやり方を教えた覚えはありません」
などと言う私
私にこのような指摘を受けた人の中にはマルチピッチクライミングをしていることをアピールする人もいます
たとえ易しいマルチピッチクライミングであったとしても防御技術が欠如している限り心配で仕方がありません


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