2023年7月2日日曜日

デュフォーで下降した井戸沢


今回は、8月に予定されている赤木沢の為の訓練山行という位置づけです
「深田日本百名山」コレクションを話題とするような典型的初心者から大学ワンゲル経験者や日本山岳会会員のベテランまでを含む11名の大部隊
深田百名山コレクターの初心者にとっては赤木沢も有名どころのコレクションの一つなのかもしれませんが、赤木沢を遡行することを目標として、その為の技量を修得してもらえるのであれば、私たち都岳連プロガイド養成委員会の事業目的「安全登山の啓蒙と普及」に寄与できるのではないかと考えています

梅雨のさなかの企画で天候に気を揉みましたが、この日曜日は絶好の沢日和になりました
土曜日に三斗小屋温泉大黒屋に宿泊して日曜日に井戸沢を遡行して会津中街道を下山するという計画で実行しました

最近の多雨による林道の荒廃を考慮して林道ゲートの1.5km手前 すなわち会津田島への分岐点にある深山発電所に車を停め、小雨のぱらつく中を歩き始めました
高温多湿の森の中を歩いていると汗びっしょりになります
いにしえの戊辰戦争を思いながら三斗小屋宿で一息入れました
歴史の道をたどる意味の深さを踏みしめながらゆっくりと三斗小屋温泉へ登っていきました

三斗小屋温泉大黒屋旅館 こんな山奥なのに旅館を名乗る誇りを感じるのは私だけでしょうか いにしえの旅籠を彷彿とさせるたたずまい

先ずはさっそく温泉につかりましょう
温泉からあがったら大部屋でロープ講習会 机上講習、実技1で講習した内容を復習する為に行いました
少なくとも懸垂下降の時のビレイディバイスへのロープセットだけは繰り返し練習してマスターしておいてほしいと素直ガイド自演の動画まで送ってお願いしていたのに、全く練習した気配のない人がいたりして、がっくりでした これでは「安全登山の啓蒙と普及」に寄与することはできません 少々厳しい指摘をせざるをえませんでした

夕食はお膳を宿泊部屋まで運んでくれるというのが大黒屋旅館の嬉しいところです
一昨年と全く同じメニューでした とはいえ車による物資輸送ができないこの地ではありがたいご馳走でした
私の企画する山行では就寝前の宴会というものは存在しません 明日に備えて疲れをとって眠って欲しいからです 19時前に就寝していただきました 雨音が遅くまで聞こえていました

さて、翌日
3時半起床 まだ真っ暗ですがヘッドランプを灯して仕度をして玄関へ行くとすでに全員揃っていました 参加者の意気込みを強く感じながら、まだ薄暗い中をヘッドランプを頼りに歩き始めました
一旦三斗小屋宿跡まで下降し、沢支度を整えて遡行を開始しました
核心部の一つである末広がりの15m滝は巻き道に倒木がかぶさっており難儀しました
鋸を持ってくれば良かった・・・などと思いました

ロープピストン、フィックスロープなど繰り返し教えてきた技術を組み合わせながら連続する滝を登っていきました

下部連瀑帯の最終を飾る大滝は幅の広い滝でロープスケールおおよそ20m
これを越えると一気に展望が開けます
素直ガイドがロープをフィックスし受講生が登ります

ところが滝の上にいる素直ガイドからトランシーバで
「○○さんが足をくじいたと言うので、テーピングをして応急処置をしましたが、登り続けますか?」
「了解 現時点で遡行を終了しますので、これから下降に移ってください」
「了解 良い支点がなくデュフォー下降します ロープをもう一本送って下さい」
「了解」
というわけで遡行を終了して下降に移りました

デュフォー下降とロワーダウンの繰り返しで林道帰着
やれやれの一日となりましたが、参加者の学習テーマとしては充実していたと思います

森の中にあるお風呂の素晴らしさにうっとりです

大黒屋旅館の内部(その1)

大黒屋旅館の内部(その2)

大黒屋旅館の内部(その3)

汗びっしょりになったTシャツを外の清水で洗いました
背景の建物は大黒屋の新館で、最近内部をリフォームしたようです

なんでそうなるの?
というコント55号のセリフが出そうになりました

お膳で運ばれてくる夕食

新館の大部屋をあてがってくれました

下部連瀑帯の核心部15m滝
右側のリッジを登って巻きますが、上部がオーバーハングしており巻き道とはいえ易しくはありません

ロープをフィックスするために登る素直ガイド

下降が決まってがっかりする参加者
それでも若い人はこのようにしてはしゃいでくれました
本当にありがたいことです

デュフォー下降の連続で登ってきた滝を下っていきました

デュフォー
安易に真似をすると死亡事故になります

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