2022年12月22日木曜日

ヘビーデューティ山岳テントのフラッグシップ ダンロップVシリーズ


今日はダンロップV6のサイドポールを交換した
1970年代の初頭に山岳用テントの大変革があった
吊り下げ式山岳テントとしてダンロップの原型ともいえるカラコルムテントを私が見たのは1972年7月の奥穂高岳白出乗越だった 当時の私たちが使っていたのは細野商店のビニロン生地の家型テントだったから驚いた
その後、欧州山荘がボンボンテントを出し、カモシカからアンデステントのドーム型テントをエスパースと称して販売を開始した
当時の山岳用テントのフレームはグラスファイバー製が主流 唯一の例外がダンロップで軽合金フレームを採用していた
強度的に問題のあった軽合金フレームだったが、その後改良されてグラスファイバーは一掃された

私が使用してきたテントは
1970年代から80年代はカモシカエスパース
80年代に入ってから小川山のベースキャンプ用にモンベルのムーンライト
90年代は山ではダンロップとアライエアライズⅢ 小川山でムーンライト
現在はダンロップV6、モンベルステラリッジ各種、ムーンライトⅦを使い分けている
アライエアライズⅢも時々使う アライエアライズⅢの最大の魅力は大きな前室である
ムーンライトは4代目、ダンロップは2代目となる 

ダンロップV6のサイドポールを交換しながら思うのはダンロップの完成度の高さである
ツイスト式のフック、メッシュ生地による分散荷重と4本フレームによる高い剛性
経験の浅いユーザーはカタログスペックで製品を選びがちなので各メーカーもカタログ上で訴求効果の高い重量を優先するのは致し方ないことなのかもしれないが、こういうところにも注目したい

最近は個人山行が隆盛だし、このようなテントは売れないのだろう
V3,V4は廃番になり、現存するのはV6とV8の2機種だけになってしまった
いまやダンロップVシリーズは絶滅危惧種になりつつある

厳冬期3000mの稜線でこのテントを使用するヘビーユーザーの素直ガイドによると二つだけ改良してもらいたい点があるという
1.フレームエンドがプラスチックボールに変更され、これが凍結してフレームポケットに凍りついて撤収困難になる
2.棟のフレームを通すスリーブのカット形状が悪く手袋をしていると装着しにくい

 




フレームエンドのプラスチックボール
これがポケットに凍結して撤収困難になるという

ツイスト式のフックは冬用手袋をしていてもセットしやすい

フック部の一点でキャノピーを支えるという吊り下げ式の弱点を
メッシュ生地を配することによって解決している

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