2018年9月24日月曜日

秋分の一ノ倉沢


秋分の日をはさんだ三連休は一ノ倉沢へ行ってきた

元々は砂田と二人で、山岳クライミングへ行きたいという話があったが、なかなか日程調整がつかず、計画は先送りになっていた
そうこうしているうちに加盟している都岳連のモンターニュでチーフをしている先輩ガイドの大西さんから一ノ倉沢の山行計画を立てるよう指示され、秋分の日の三連休の最終日24日に一ノ倉沢へ行く計画を作った
三連休の最終日だけのために谷川岳へ行くのはもったいないので、23日に印西でいつも一緒に登っている松本さんと砂田と幸子さんと一ノ倉沢へ入る計画を立てた

22日
16時過ぎに四街道を砂田の車で出発した 計画段階では20時出発予定だったから4時間早い
20時半に土合駅にてステーションビバーク
習志野山の会の蛭田さんが同宿 習志野山の会のメンバーと千葉工大山岳部メンバーと明日は南稜を抜けて五ルンゼの頭を経由して稜線へ行くということなので、一緒に登ることになりそうだ

23日
4時に土合駅を出発し5時過ぎに一ノ倉沢出合に到着
ここでハーネスを装着し5時半に出発
見上げる一ノ倉沢は大迫力である
私は最近ちょくちょく一ノ倉沢へ入っているので見慣れた風景だけれども、それでも毎回圧倒される
砂田は一緒に登った衝立岩雲稜第2ルート以来(鹿山会の山行記録では1982年10月2日)の一ノ倉沢ではないかと思う
残雪はすべて消滅しておりヒョングリの滝の高巻きヘ入り、下降点に到着
下降点では6人パーティーが懸垂下降を準備中で、ここで1時間ほど順番待ち
1970年代はここの下降は懸垂下降ではなくクライムダウンするのが一般的だったが、現在はほぼ全パーティーが懸垂下降を行っている
下山時にはこの斜面を登らなければならないので50mロープをシングルで垂らして懸垂下降し、ロープは下山時に回収することにして残置
テールリッジ末端は一部でショートロープ使用
中央稜テラスから見ると南稜にはすでに多くのパーティーが取り付いており、南稜テラスにも多数の人が溜まっている
この状態では渋滞の順番待ちだけで一日が終わってしまうので、登るルートを中央稜に変更
中央稜はかなり以前(鹿山会の山行記録では1979年8月12日)に登っているけれど易しいが岩が浮いているという印象がある
幸いにも砂田が中央稜のトポをポケットに入れていたのはラッキーだった
3ピッチ目で衝立岩側へと右に回り込まなければならないのだが、それを見落として凹角を直上 5.9を感じたのでルートではないことに気が付き、下にいた砂田にクライムダウンしてもらって衝立岩側を見てもらうと正規のビレイ点があり軌道修正
この後は砂田/松本チームが先行してロープをのばす
60mロープを使用しているので砂田は目いっぱいロープをのばしていく
傾斜が緩み、難易度が落ちた地点で登攀を終了し懸垂下降へ入る
南稜を見るとまだ渋滞している
16時過ぎに中央稜テラスへ降り立つと
偶然、下降してくる蛭田さんパーティーに再会
中央稜テラスを16時半に出発し、安全を最優先してこまめにビレイしながらテールリッジを下って末端は30mの懸垂下降を行った
ここでヘッドランプを点灯
18時、行きに設置したフィックスロープにシンプルアッセンダーをセットして登る
登りついたテラスから一ノ倉沢を振り返ると無数のヘッドランプの灯りが見える
その中には南稜テラスや中央稜テールリッジだけでなくコップスラブのものもあって、彼らが一ノ倉沢出合へ帰着できるのは深夜になると推測された
私たちは安全最優先でロープによるビレイを実施しながら慎重に下降して、19時20分に一ノ倉沢出合の舗装道路に到着 一ノ倉沢出合付近では携帯電話用の電波状態が悪く19時40分を過ぎて連絡をつけることができた 20時過ぎて土合山の家に到着したが、モンターニュの二人を始めとして関係者には心配をかけた

24日
今日はモンターニュとの山行である
目標は一ノ倉沢南稜
子持山の獅子岩へ行く予定の砂田、松本さん、幸子さんが寝静まっている4時に土合山の家を出発
私がヘルメットを土合山の家に忘れるといったポカがあったのでベースプラザ出発が20分遅れた
明るくなってから一ノ倉沢出合に到着
昨日の混雑が嘘のように静まり返った一ノ倉沢
先行するのは1パーティーだけで渋滞は全くなし 終了点には14時過ぎに到着し14時半に下降開始
2本の60mロープを利用したので懸垂下降は4ピッチ
私が先行して懸垂下降しメンバーにロープを繰り出してもらう方式で下降していったが、最終でロープが絡まった
絡まった箇所は1ピッチ目終了点のテラスの岩 このテラス周辺は岩が絡まりやすい形状をしているので、たとえ60mロープであったとしても1ピッチ目終了点で一度、懸垂下降のピッチを切るべきだった
ルーピングをしたり満身の荷重でロープを曳いてみたがロープは動かない
仕方がないので登り返してロープスタックを解除
懸垂下降する時に上に残っているメンバーにロープを繰り出してもらう方式は、ロープスタックした場合の対処方法を関係者が習熟していれば時間短縮になるが、そうでなければリスキーになる